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株式会社 ひらまつ

代表取締役社長 陣内 孝也

人との絆を大切に。豊かな食文化を次世代へ引き継ぐ。

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陣内 孝也 – Takaya Jinnai –

1965年、神奈川県生まれ。辻調理師専門学校フランス校卒。1987年、ひらまつ亭(現ひらまつ)に入り、2013年より取締役を務める。今年6月、代表取締役に就任。現在、フランス・イタリア料理レストラン、カフェなど35店を国内外で運営。新たにホテル事業にも本格参入し、独自のホテルブランドの構築に注力している。

一流の料理と最高のサービスで日本のおもてなしの心を伝える

 国内外でハイエンドなレストランを運営する(株)ひらまつは飲食業界を牽引し、次々と新規事業を展開してきた。2016年度には、ホテル事業に本格参入。今年6月、現会長で創業者の平松博利氏よりバトンを引き継いだ陣内氏がその全貌を語ってくれた。

「ホテル事業は私たちの長年の夢でもありました。地産地消をベースに、その土地の食材を活かした一流の料理と最高のおもてなしを提供するのが目的です。レストランが経営するホテルですから、通常のホテルとは若干コンセプトが異なります。フランスのオーベルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)にプラス、日本の旅館にあるようなおもてなしの心を伝える”西洋旅館”をつくっていきたいと思います」

 7月に開業した三重の賢島をはじめ10月には熱海、さらに今月末には箱根・仙石原とオープンラッシュが続く。もともと、レストランの経営にはおもてなしの心が不可欠。これまで積み重ねてきた豊富な経験とノウハウをもってすれば、ホテル事業も難なく進められるようだが、ホテルとレストランとの間には明らかな差が存在する。

「第一に、お客様の滞在する長さが違います。お食事の後のケアから翌日の朝食、お帰りの時間までおもてなしをしなければなりません。お客様のさまざまな要望も出てきますので、それにお応えしていくのが今後の課題。実は賢島も熱海もホテル業務の経験者はほとんどいません。初めからノウハウを持った経験者だけを集めても、私たちが目指すところとズレが生じる可能性があるでしょう。基本はレストランで働いていたスタッフが日々勉強しながら勤めています。レストランを熟知した人間がホテル事業を構築していくことこそが重要と考えているからです」

 一方、ホテルならではのメリットも大きい。お客様はもちろん、応対するスタッフたちもそれを実感している。

「通常のレストランでは食事の後、『ありがとうございました。またお越しください』で終わりですが、翌朝、『おはようございます』とお客様を出迎え、『よくお休みになられましたか』とプラスアルファの会話もできます。料理だけではなく景色も施設もトータルで喜んでいただけるので、今までの限られた短い時間の接客より満足度が高まる。ホテルというのはすばらしいものだという醍醐味を味わっています」

自分のためだけの仕事ではない 世の中のためという誇りを持って

 ひらまつの歴史は西麻布の「ひらまつ亭」という1軒のレストランから始まる。調理師学校を卒業した陣内氏がその小さな店で働き出したのは30年前。当初は料理人を目指していたが、2年目に大きな岐路に立たされる。

「ある失敗をしたとき、シェフである平松に呼ばれて、こう言われました。『きみは普通の料理人にはなれても、一流の料理人になるのは無理かもしれない。でも、一流のサービス人にならなれるだろう』。その言葉を聞いて、胸のつかえが取れました。自分でも向いていないのではとずっと悩んでいたのです。料理人には追求心や集中力が必要ですが、私は注意散漫というか、他人のことがつい気になってしまうほうでして(笑)。サービス人には視野の広さや気配りが求められるので、そこを見通されたのだと思います。平松の一言が人生の分岐点になりました」

 サービスに転じた陣内氏は能力を開花させ、「自分にはこれが天職」と言い切るまでに。その間、ひらまつは名店としての揺るぎない地位を確立しながら、上場を果たす。めざましい成長の裏には、社員一人ひとりの拠りどころとなる経営理念の浸透があった。

「何のためのレストランなのか、私たちは料理人としてサービス人としての存在意義を平松から常に問いかけられてきました。フランス料理やイタリア料理の豊かな食文化の普及は経営理念の1つ。家族や友人と語り合いながらゆったりと食事を楽しむ文化を、日本全国に広めていく職業でもあります。自分のためだけではなく、世の中のために貢献できるのだと思えば、誇りを持って仕事に取り組めるでしょう」

 平松氏の料理人としての力、経営者としてのパワーこそがここまで発展を成し遂げた要因と陣内氏は分析。そして、それとはまた違うサービス出身ならではのアプローチで今や700名を超える大組織をまとめ上げている。

「30年間、サービス人として学んできたのは人の大切さです。お客様にも社員にも喜んでもらうのが、私の仕事ですから。何よりも大切にしたいのは人との絆。人に対する思いやりがなければ、組織の成長はあり得ません

陣内 孝也さん

仲間には家族のような思いやりを

お客様のありがとうを共有しよう

 代表取締役社長に陣内氏が就任してからまだ半年足らず。その短い期間にも、次々と新たなプロジェクトが始動。2018年には、沖縄でのホテルの開業も予定している。

「今後、全国のいろいろな場所に展開して、ホテルブランドの構築を目指します。そのためにも1年2年とかけて、まずはしっかりとした基盤をつくり上げなければ。ホテル事業を成功に導き、受け継いだ既存店の運営とブラッシュアップを図り、安定して発展する会社にしていくのがこれからの私の使命です。そして、ただ利益を追求するのではなく、フランス料理やイタリア料理を通して食文化の普及に努めるというポリシーを持って、次世代に引き継いでいきたいと考えています」

 既に、会長の平松氏は人材育成のための組織「平松研究所」を創設。今年9月より、料理長、支配人を一堂に集め、「次代のひらまつを背負う人材」の教育と指導に携わっている。

「来年の新入社員は150名です。新店のクオリティーを下げないためにも、人を育成しなければ追いつきません。地方に出店する際にも地元の方々に賛同していただき、その地域から料理やサービスのできる人たちを育てていくことも重要です。日本全国に私たちの仲間を増やしていきたいですね」

 最後に、読者に向けてのメッセージをうかがうと、陣内氏からは「新入社員にどういう目的で入社したのかを問うと『ありがとうと言われたいから』と答える人が多いんですよ」と返ってきた。その言葉には、一流のサービス人として第一線で活躍してきたリーダーならではの深みと奥行きがあった

「ありがとうと言われただけで満足していては、この仕事は務まりません。前線に出る人は裏方として働く仲間にそれを伝えるのが最後の仕事。ありがとうを共有して初めて完結するのです。一緒に働く仲間に対して家族のような思いやりを持つことが良いレストランをつくる条件の1つです。人の気持ちを感じとれるようにいろいろな経験をして、いろいろな人と出会ってください。出会いを通して教わったり、感動したことをスポンジのように吸収して、それを自分で表現し、伝えられる人になってもらいたいと思います」

shop.jpg【取材店舗】メゾン ポール・ボキューズ

株式会社 新和
─ 店舗情報 ─

レストランひらまつ

東京都港区南麻布5-15-13

電話:03-3444-3967

サンス・エ・サヴール

東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング35F

電話:03-5220-2701

キャーヴ・ド・ひらまつ

東京都港区西麻布4-3-7

電話:03-5766-6880

リストランテASO

東京都渋谷区猿楽町29-3

電話:03-3770-3690

ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ

東京都港区六本木7-22-2 国立新美術館3F

電話:03-5770-8161

オーベルジュ・ド・リル トーキョー

東京都港区西麻布1-6-4

電話:03-5785-8880

メゾン ポール・ボキューズ

東京都渋谷区猿楽町17-16 代官山フォーラムB1F

電話:03-5458-6324

カフェ・ミケランジェロ

東京都渋谷区猿楽町29-3

電話:03-3770-9517

他、現在35店舗展開中

HP:https://www.hiramatsu.co.jp/

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文:西田 知子 写真:小野 順平

2016年12月01日 掲載

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