中華料理の
基本と仕事
日本はもちろん、欧米や東南アジアなどを中心に世界で提供される中華料理。その多彩な調理法・味のバラエティーは各地の文化と馴染み進化し続けています。日本で中華料理や中華料理に分類されるお店は、全国で56000店以上。日本でいう『中華料理』とは、日本で日常に食されている(日本で生まれた)料理を指し、本場、中国の料理のことは『中華料理』と呼ばれています。野菜の味や色を殺さず、栄養価を高める調理法が特徴です。「炎の料理」とも呼ばれ、火と油の扱いが非常に大切です。調理方法は多種多様であるのに、調理器具はいたって種類が少ないのも特徴の一つです中華鍋は炒める、揚げる、煮込む、茹でる、焼く、あるいはせいろと組み合わせて蒸す事ができます。その上、扱いやすく、丈夫で長持ちし、底が丸いので火の通りがよく、揚げるときの油の量が少なくてすむなど、非常に機能的で、包丁も全て1本の中華包丁で調理します。ですので、まずは中華鍋の振り方の基本、中華包丁の研ぎ方、野菜・肉類の切り方など、料理に応じたさまざまな刀法を習得する必要があります。
主な中華料理の種類
四川料理 ※麻婆豆腐、棒棒鶏、担担麺など。
中国西南地方の料理。
辛味と酸味が利いているのが特徴。四川料理の味は、胡椒や山椒などの薬味の痺れるような辛さ「麻(まー)」、唐辛子の辛さ「辣(らー)」、酸味「酸(すー)」、スパイス「香(しゅん)」の4つが味の基本。
広東料理 ※フカヒレスープを始めとするスープ類、仔豚の丸焼きなど。
中国南地方料理。
幅広い素材を用い、淡白な味付けで、素材を活かす調理法が好まれ、世界各地の中華レストランで出されているもののほとんどが広東料理。
あっさりとした塩味ベースの物が多く、様々な醤(ジャン)を使用する。
北京料理 ※北京ダック、ジンギスカン、餃子、肉まん、麺類など。
黄河流域以北の料理。
北方民族料理や宮廷料理の伝統を受け継ぐ。
鍋や味噌料理、肉料理が多く、やや濃い目の味付けでしっかりとした味わい。肉まん、餃子等、小麦粉を使った軽食も豊富。
上海料理 ※上海蟹、あんかけ焼きそばなど。
川、湖、海と魚介類の宝庫で、新鮮な魚介類を活かした料理が多い。醤油味で、こってりと甘いもの、あんかけが多い。コースでは、上海ガニをはじめ、淡水魚などの魚介類がメイン・ディッシュとされることが多く、料理の種類も豊富。
台湾料理
薬膳料理等が多く、淡白な味付けで、汁気の多い料理が多い。屋台料理が有名で、ビーフンを使った麺料理や、豆乳を使った料理など。
ヌーベルシノワ
“ヌーベル”は「新しい」を示し “シノワ”は「中国」を表す。 正しくは「ヌーヴェル・キュイジーヌ・シノワーズ」と呼ばれる1980年代に香港で生まれた新しいタイプの中華料理。西洋の食材を中華の技法で調理したり、フランス料理のように洋風の食器に料理を盛り付け、コース料理のように1品ずつ提供。新しいフランス料伝統的な中華料理よりも油脂の使用を減らし、素材の持ち味を活かす日本料理やフランス料理の技法を取り入れたため、健康志向の消費者に受け入れられた。
中華料理の主な調理法
- 1. 炒(チャオ)
- 強火で炒める
- 2. 爆(バオ)
- 強火で勢いよく炒める
- 3. 煎(ジェン)
- 少量の油で焼く
- 4. 炸(ヂャ)
- 大量の油で揚げる
- 5. 煮(ジュー)
- 水やスープで煮込む