第25回お題
「辞めたい」というスタッフ…、そのときあなたはどうする?
一般的に外食産業の労務環境は十分に整備されているとはいえず、それゆえ離職するスタッフもあとを絶たないという店も散見されます。では、スタッフが「辞めたい」と言ってきたら、リーダーはどう対応すればよいのでしょうか?
- 意志は固そうか?
- YES : いつまで在職してくれるか。引き継ぎやシフトに影響のないように。
- NO : 本人のためを思い、スキル獲得や履歴書を無用に汚さないように、仲間との絆などを持ち出し引き止める。
- 会社に不満があるのか?
- YES : 不満点を明らかにして、誰にとっても必要なことであれば改善できることは改善する。
- NO : 会社への不満ではなく、更なる成長やチャレンジ、異業種へのトライなどは、応援する姿勢を貫く。ただし、状況に応じて慰留も試みる。
- 今は人員が不足しているか?
- YES : 半年とか1年先まで頑張ってくれないか、現状を踏まえて相談してみる。
- NO : 新陳代謝と割り切り、最短で辞めてもらう。お店も本人もスッキリする。
- お客様の評価は高いか?
- YES : お客様との関係を構築しているのであれば、それも説得するポイントとなる。
- NO : まだ戦力になりきっていないので、育成するかリリースするか検証が必要。
- 高給取りか?
- YES : 人員の新陳代謝だと割り切る。安価な従業員を採用し、利益捻出を考える。
- NO : 報酬への不満ならば、対応可能な場合のみ昇給させる。ただし、タイミングと金額を間違えると尊厳を傷つけることにもなりかねないので要注意。
まだまだ色々と判断材料はありますが…、以下を想定・組み合わせてベストな解決方法を導き出す必要があります。
- スタッフ本人にとって何が最適か?(残留/旅立ち/スキル修得/人生/他)
- お店にとって何が最適か?(人件費/オペレーションシフト/お客様反応/他)
- 残るスタッフにどんな影響があるか?(連鎖/ポジションフォロー/会社対応への評価/他)
退職希望者に対峙した際に、リーダーは育成コストをかけてきたチームメンバーの流失を防ぐことを考えると同時に、経営者として人件費の最適化(削減)~収益向上などにも考えを巡らさなければなりません。
また、この事実を真摯に受け止めて退職に至った理由を明らかにし、不満点や不足点があるのならば改善し、人間として、そのスタッフの人生の道筋を立ててあげることも重要です。
皆さんも転職を繰り返して、今のポジションを獲得した人も少なくないと思います。
職業選択の自由が憲法で守られている以上、スタッフの辞めたいという意志は尊重せずにはいられません。
しかし、あなたや仲間と一緒に働いてきた時間の濃さも同じくらい尊重してくれるはずです。
とことん話し合って、納得のいく結論を導き出すことが大切です。
万が一、辞めてしまう場合でも、同じ業界に転職するならば、新しいステージで頑張ってもらいたいですし、違う業界への転職であっても、お客様として再訪してもらえるように、気持ちよく送り出しましょう!
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