椅子、ランプ、器、たんす……。癒しの骨董品たちが空間を埋め尽くす。

店長の宇津木幸二さんは、放浪の飲食人人生を歩んできました。

宮古島の平良（ひらら）で5年滞在していた時代には、ダイニングバーで仕事をし、その後、北海道の札幌でも飲食店に携わり、伊豆大島で滞在していたこともあります。まさに日本の北から南までを舞台に、ダイニング＆バー、イタリアン、フレンチとさまざまな業態を経験してきました。

そして2012年9月。宮古島時代に出会ったオーナーの意向で「ガラクッタ」のオープニング店長を任されることになりました。

店内は、古民家スタイルの造り。

「店名の『ガラクッタ』とは、ガラクタがいっぱいあるお店という意味でもあります（笑）」

何をおっしゃいますか！　ガラクタどころか、癒しの骨董品たちが空間を埋め尽くしています。

カウンターの椅子は着物の生地を張りなおし、お座敷には階段たんす、ひじかけがあり快適な空間を演出。昔の型番の扇風機、ランプシェードは大正ロマンを感じますね。

金魚の柄がかわいらしいワインクーラーは、その昔、どこかの民家で火鉢として活躍していたもの。パスタは茨城の笠間焼きの器で出されます。コカコーラのグラスまであって。なんだか骨董品の市場の中で食事を楽しんでいるかのよう♪

「オーナーが古物商の資格をもっておりまして。それで、さまざまな調度品で店内を飾っています。これらは売り物でもあるんですよ」

骨董品のショールームとレストランを兼ねた空間でもある。斬新なビジネスモデルですね！

宇津木さんのゆる～いキャラと、サッチーのほがらか系キャラとのコラボで。

空間は古民家スタイルなのに、業態的にはイタリアン。でも、違和感なく、しっくりきているのが「ガラクッタ」のおもしろさではないでしょうか。

さらに、ワインや料理の値段がわかりやすい。オール500円の前菜が並び、グラスワインもほとんどが500円。いちいち値段を気にしなくても、頼みたいものを頼める仕組みになっているのです。

「私も、飲みにいくのが好きなんですけど、値段ってわかりやすいほうがいいですよね。それに、その日入った食材で新鮮な魚介があれば、できるだけシンプルに味わいたい。だから、刺身でお出しすることもあります。ときどき、私も釣りに行ったりして、鮮魚をさばくこともあるんですょ。イタリアンということになっていますが、境界線はとくにないんです」

宇津木さんは、とてもまったりと語ります。いわゆる、ゆる～いキャラの人なのですね。

「はい、宮古島にいたこもあって、ゆる～い営業スタイルです（笑）。新高円寺のお客さんはみなさん、年代を超えてものすごくパワフルで、こちらが元気をもらっているみたい。お酒もよく飲みますね」

放浪の飲食人、宇津木さんは、しばらくは新高円寺に定住しそうですね。

「それがそうでもないんです。いつでも旅立てるように、いま社員の菊池幸子に店長職を教えているところなんです。会社として、札幌に同じような業態を出す計画がありまして、私はそちらに行こうかなと（笑）、楽しみなんです」