パスタのイチオシ！カニ味噌クリームスパゲッティ。

写真は、カニ肉と青葱のカニ味噌クリームスパゲッティ。「ベントルナート」の人気ナンバーワンパスタです。

あっつあつ♪のソースがスパゲッティにしっかりと絡みついて、はふはふと美味しい。冬のランチには、濃厚なカニ味噌ソースがカラダをあたためてくれます。ソースがたっぷりなので、バゲットを二枚ほどいただきたいと思ったほど。それにワインとも合う。おもわず、冷えた泡ワインをオーダーしてしまった（汗）

カニ味噌のクリームソースに浸ったスパゲッ ティ1本いっぽんが、なんだかイキイキとうれしそうに輝いている。

「スパゲッティの表面が傷つかないように、丁寧に茹で上げているんですょ」

パスタを茹でる作業ひとつにも、心をこめているのですね！

オーナーシェフの宇佐美剛（うさみ　ごう）さんは、はじめに就職したレストランからずっとパスタを学びつづけてきました。

「修行時代って、やりたいポジションにつくにはすごく時間がかかったりするものですが、私の場合はすぐにパスタづくりをやらせてもらえたのがラッキーでしたね。チャンスを与えてくれる組織だったんです」

パスタのほかにもさまざまな料理がメニューに並びます。「生海苔ソース」や「塩昆布・生姜・味噌」など和のテイストを取り入れたり、コンフィやピルピルのようにイタリアンを超えた料理にもチャレンジしているのが「ベントルナート」の隠し味といったところでしょうか。

地元・西荻窪のニーズをキャッチ。大人がくつろげるイタリアンへ。

宇佐美オーナーシェフは、西荻窪にはまったく土地勘がありませんでした。どんな街なのか、ここに住む人々は何を求めているのか。そうしたことを少しずつ感じ取りながら、店づくりを進めてきました。

「2004年のオープン当初は、深夜2時までやっていたんです。レストラン＆バーみたいな感じの業態ですよね。でも、そうすると、ふだん商店街を行き交うお母さんやビジネスパーソンにとっては、店が昼間いつも閉まっている状態になる。もっとお店を知っていただくためには、やはりランチをやろうと。そうしたら、お母さんたちが入るようになって、街に認知してもらえるようになったんです」

ワインをリーズナブルなグラスで、しかも何種類も楽しみたいというニーズに対して、今では毎日10種類ものグラスワインを取り揃えています。

オープンキッチン内での丁寧な仕事ぶりが、どのテーブルからも見えます。

宇佐美さんのサービスのスタイルは、お客様ときちんと距離感を取るというもの。

「テーブルはお客さんのものだと思うんですよね。それぞれのテーブルには、それぞれの話題や楽しみ方があります。ですから、私は余計なことを話しかけたり、過剰なサービスをすることは控えています」

テーブルはお客さんのもの──。そうですよね！

「将来的には、どこか田舎に移り住んで畑仕事をしながら、そこで収穫したもので料理をつくるようなレストランをやれたらと思っているんですよ。ピッツァ窯なんかを導入してね」